ちいさな哲学のおはなし

清水将吾のブログ

あるバーへのご招待

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そのバーには、

とても長い木のカウンターがある。
 

熟成の進んだものが飲みたければ、

カウンターの奥へ行くとよい。

長い時間をかけて、

木の香りのよくしみこんだ飲み物が、

カウンターの奥では楽しめる。

 

熟成のあまり進んでいないものが飲みたければ、

カウンターの手前のほうがよい。

できたての液体のフレッシュな味わいが、

カウンターの手前のほうでは楽しめる。

 

そして、カウンターの一番手前には、

青々としげった葉がある。

この葉が昼のあいだに太陽を受けて、

甘い液体をつくりだす。

 

たっぷりとつくられた甘い液体は、

木のなかを通って運ばれていく。

 

この液体の味と香りを求めて、

今夜もこのバーに、

いろんな客が集まってくる。