ちいさな哲学のおはなし

清水将吾のブログ

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

鼻とみつばち

ある日、1匹のみつばちが、私の鼻の穴にごそごそと入ってきた。 みつばちは、鼻のなかの空洞まで入ってきて、そこでしばらくじっと休んでいた。 こわい鳥も入ってこられないし、大きなクモも入ってこられないし、スズメバチも入ってこられない。 きっと、…

世界の色を変えるには?:カヌーとフェリーのおはなし4

大きな耳のカヌーと、大きな目のフェリーが、おはなしをしています。 カヌー「きのうさ、古くなった木のイスを、きれいにふいて、青のペンキでぬったんだ。そしたら、ぴかぴかの青いイスになったよ。」 フェリー「へえ、それはいいね。」 カヌー「それで、…

劇「桃太郎」

猿「どうもありがとうごぜえます、桃太郎さん。むしゃむしゃむしゃむしゃ。はあ、おいしかったなあ、きびだんご。」 桃太郎「それはよかった。あれ?お猿さん、口の横にだんごの粉がついておるぞ。」 猿「冗談はやめてくださいな、桃太郎さん。」 桃太郎「冗…

ある石の部屋の話

またここだ。 ごつごつした石の床と壁、家具などはなく、いかにも頑丈そうな木のとびらが、一つだけある。 まるで中世のろうやの中だ。 とびらを開けることはできない。 鍵がかかっているのだ。 とびらをいくらたたいても、にぶい音がひびくだけである。 と…