大きな耳のカヌーと、
大きな目のフェリーが、
おはなしをしています。
カヌー「夢にフェリーが出てきたよ。」
フェリー「へえ。なにしてた?」
カヌー「トランプで手品をしてくれたよ。」
フェリー「手品はしたことがないなあ。だからそれは私ではないよ。」
カヌー「え。あれはフェリーじゃなかったの?フェリーにそっくりだったよ。」
フェリー「私にそっくりだっただけで、私ではないよ。」
カヌー「うーん。でも、フェリーはいつか手品をするかもしれないよね。」
フェリー「ふむ。そうだね。そのときになったら、カヌーが夢で見たのは私だったということになるかもしれない。」
カヌー「じゃあ、僕が夢で見たのはフェリーだったのかどうかは、まだわからないってこと?」
フェリー「そうだね。カヌーが夢で見たのは私だったのかどうか、それは私がいつか手品をするかどうか次第。ふふふ。」
カヌー「そんなあ。あれが誰だったのか、気になっちゃうよ。トランプもってくるから、手品をしてくれない?」