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ちいさな哲学のおはなし

清水将吾のブログ

ふしぎなくつやさん《2》

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気にいったくつをもっていき、

おじいさんに声をかけると、

おじいさんは、

「どうもありがとうございます」

と、わらっていいました。

 

おじいさんは、こういいました。

「わたしは、お客さまひとりひとりの足にあわせて、

ひとつずつ、くつをつくっています」

 

「それはすばらしいですね」

 

「お客さまのくつができあがるまで、

3しゅうかんほど、おまちいただくことになります。

それでもよろしいでしょうか?」

 

「もちろんです」

 

「どうもありがとうございます」

 

おじいさんはそういうと、

足の大きさをはかるどうぐをもってきて、

みぎ足の大きさ、それからひだり足の大きさを、

はかってくれました。

 

おじいさんのつくえのうしろには、

たくさんの木がたが、ぶどうのようにぶらさがっています。

おじいさんは、そのなかから、2つをえらんでもってきてくれました。

 

「この2つの木がたで、くつをつくってくださるのですね?」

 

そうきくと、おじいさんはこういいました。

「いいえ、こちらの木がたは、

くつができあがるまで、お客さまがお使いください。

そのかわり、わたしはお客さまの足を、おあずかりします。

お客さまの足にぴったりのくつを、おつくりしますので」

 

こんなことがあって、しばらくのあいだ、

木がたの足で、くらすことになりました。

 

くつのできあがるのが、たのしみです。

 

  

《おしまい》