この街に住む人々は、
手紙を書くのが大好きです。
毎日、たくさんの人が手紙を出すので、
街にはたくさんのポストがあります。
あるとき、
こんな意見を言った人がいました。
「ポストの背をもっと高くしよう。
そうすれば、どこにいても、
すぐにポストを見つけられる。」
そう、この街では、
公園へ行っても、カフェへ行っても、
手紙を書いている人が
あちらこちらにいます。
そんな人たちが、
さあ手紙を書き終えたというとき、
ポストの背が高ければ、
すぐに見つけて、
手紙を出せるではありませんか。
街の人々は、この意見に賛成しました。
そして、街のポストの背をぜんぶ、うんと高くしました。
ところが、人々は気づきました。
「ポストがすぐに見つかるのはよいけれども、
手紙の入口に、手がとどかなくなってしまった。」
それでも、私にとっては便利になったのです。
家のそとへ出なくても、
窓から手紙を出せるようになりました。
アパートの4階に住んでいるからです。
おや、今日もまた来ました。
窓から手紙を出しておいてほしいという人です。
それでは、またお便りしますね。