ちいさな哲学のおはなし

清水将吾のブログ

翼の記憶

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はるかとおい

とおいむかし、

地上に

人間はいませんでした。

 

人間は、

空気をつつむ

翼をもち、

空をとんでいました。

 

あるときから、

人間は、

いろいろなものがある

地上でくらしたいと

思うようになりました。

 

地上を歩いて、

走るためには、

たくさんの空気を

すったりはいたり

しなければなりません。

 

そこで人間は、

翼でむねをくるんで、

むねのなかに

空気をつつめるようにしました。

 

翼のほねはのちに、

「あばらぼね」と

よばれるようになりました。

 

地上でくらしていて、

つらいことがあると、

むねが苦しくなったり、

痛くなったりします。

 

翼が、おもいきり広がって、

空へとかえりたがっているのです。