木がたくさんはえているところに、ひろい場所があります。
そこには、使われなくなった古い虹、大きなランプがついたプロペラ、ほかにもいろいろなものが置いてあります。
顔が2つあるガゼルがやってきて、
「ぼお、ぼお」
となきました。
すこしはなれたところに、立てかけたほうきのように、とても大きな木がはえています。
その木は、「かみさまのつえ」とよばれていました。
その木は、みきも枝も根っこも、木でできていません。
ここは、誰も使わないものが置いてある、ものおきの場所です。
じつは、このお話も、この秘密のものおきに置いてあります。
誰も使わないものがあるものおきのお話なんて、誰も読むことがないからです。
でも、今日は読んでみることにしましょう。
「木がたくさんはえているところに、ひろい場所があります。
…
このお話を読む人は、秘密のものおきの場所を、すこしのあいだのぞいてみることができます。
あるいはもしかすると、このお話を読む人は、このお話をすこしのあいだ、秘密のものおきから出してきてくれるのかもしれません。