ちいさな哲学のおはなし

清水将吾のブログ

秘密のものおき

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木がたくさんはえているところに、ひろい場所があります。

そこには、使われなくなった古い虹、大きなランプがついたプロペラ、ほかにもいろいろなものが置いてあります。

 

顔が2つあるガゼルがやってきて、

「ぼお、ぼお」

となきました。

 

すこしはなれたところに、立てかけたほうきのように、とても大きな木がはえています。

その木は、「かみさまのつえ」とよばれていました。

その木は、みきも枝も根っこも、木でできていません。

 

ここは、誰も使わないものが置いてある、ものおきの場所です。

じつは、このお話も、この秘密のものおきに置いてあります。

誰も使わないものがあるものおきのお話なんて、誰も読むことがないからです。

でも、今日は読んでみることにしましょう。

「木がたくさんはえているところに、ひろい場所があります。

 

このお話を読む人は、秘密のものおきの場所を、すこしのあいだのぞいてみることができます。

あるいはもしかすると、このお話を読む人は、このお話をすこしのあいだ、秘密のものおきから出してきてくれるのかもしれません。