ちいさな哲学のおはなし

清水将吾のブログ

マカロニを「うちがわ」からかじるには?《中》

《つづき》

「マカロニを『うちがわ』から食べて、しかも、『うちがわ』も『そとがわ』もいっぺんにかみきる食べかたかあ。どうすればいいのかなあ。」

女の子は考えながら、また眠りこんでしまいました。

 

すると、またじぶんがイモムシになっています。

イモムシになって、マカロニの穴の中に入っていて、どうやらさっきの夢のつづきのようです。

 

イモムシになった女の子は、こんどは上をむいて、思いきり口をあけて、マカロニのてんじょうをかじってみました。

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「おいしい!」

マカロニのてんじょうに穴があいて、空が見えるようになりました。

「もぐもぐ…。『うちがわ』も『そとがわ』も、ひとくちでいっぺんにかじっちゃった。」

 

 女の子は目をさましました。

「うーん、おいしかったけど、何かがちがうなあ。やっぱりマカロニは、あの穴をかじるのが、一番おいしいんだね。」

マカロニの穴の中に入ると、気分はとてもいいですが、かんじんの穴をかじることができなくなってしまうようです。

 

女の子はベッドから出て、お母さんのいるキッチンに行きました。

お母さんは朝ごはんを作っているところです。

「おはよう。あ、やった!マカロニサラダ!」

 「おはよう。マカロニのにおいがしたから早起きしてきたの?」

マカロニをゆでるにおいがしたから、あんな夢を見たのかもしれません。

 

ボウルにたくさん入ったマカロニサラダを見て、女の子は何かに気づきました。

「マカロニが3つくっついてるのがあるよ。」

「ゆでているときにくっついたのね。」

「あ!すごい!」

「どうしたの?大きなこえで。」

 

女の子はすごいことに気づいたようです。

 

 

《つづく》