ちいさな哲学のおはなし

清水将吾のブログ

ひとつだけ願いごとが叶うとしたら?:カヌーとフェリーのおはなし2

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大きな耳のカヌーと、大きな目のフェリーが、おはなしをしています。

 

フェリー「カヌーは、もし神様がいるとしたらどんなだと思う?」

カヌー「うーん、願いごとを聞いてくれるのが神様かな。」

フェリー「願いごとを聞いてくれて、しかも叶えてくれるの?」

カヌー「必ず叶えてくれるかどうかはわからないけど、とにかく聞いてはくれると思うな。」

フェリー「じゃあさ、神様がひとつだけ願いごとを叶えてくれるとしたら、どんなことを神様にお願いする?」

カヌー「うーん、どうしようかなあ。お願いしたことが必ず叶うってことは、自分の思いどおりになっちゃうってことでしょ?それも困っちゃうなあ。神様にお願いしても叶うかどうかがわからないから、いろいろお願いして、あとはおまかせしますって思えるような気がするなあ。…あ、そうだ!」

フェリー「どうしたの?」

 カヌー「神様がひとつだけ願いごとを叶えてくれるとしたら、『おまかせしますので、おまかせさせてください』ってお願いするのがいいな。」

フェリー「ははは、おもしろいことを言うね。でもそれだと、ぜんぶおまかせだから、結局は何もお願いしてないのと同じことになってしまわない?」

カヌー「うーん、どうなんだろう。何もお願いしない場合と、『おまかせさせてください』ってお願いする場合とでは、未来で起きることがまったく変わらないのかな。」

フェリー「お寿司屋さんに行って、何もお願いしなかったら何も食べられないけど、『おまかせさせてください』ってお願いしたら、お店のおすすめのお寿司が食べられるね。」

カヌー「ふふふ、神様のおすすめって、何だろうね。」